脳神経外科ジャーナル
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特集 小児脳神経外科
分子遺伝学的診断に基づく髄芽腫の治療法選択
金村 米博
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2016 年 25 巻 4 号 p. 307-314

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抄録
 従来, 髄芽腫の治療は年齢, 転移状態, 術後残存腫瘍量から高リスク群と標準リスク群に大別し, 標準治療法が開発されてきた. 一方, 近年の研究は, 髄芽腫は臨床的および分子遺伝学的特徴が異なる複数亜群に分類可能であることを示し, 基本4分子亜群 (WNT, SHH, Group 3, Group 4) の国際的コンセンサスが形成された. 分子亜群分類は新規の予後予測指標であると同時に, 転移状態, 遺伝子/体細胞コピー数異常と組み合わせて, より詳細なリスク層別化法に応用されつつある. 分子亜群に応じた治療法の検討が始まり, 今後は分子遺伝学的診断が髄芽腫の臨床診断に組み込まれ, 新規治療戦略の開発に貢献すると予測される.
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© 2016 日本脳神経外科コングレス

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