脳神経外科ジャーナル
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症例報告
テント上下に進展したsolitary fibrous tumorの1例
畝田 篤仁鈴木 健太大久保 修一平下 浩司柚木 正敏吉野 公博能島 舞溝渕 光一
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2016 年 25 巻 5 号 p. 445-452

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抄録
 テント上下に進展したsolitary fibrous tumor (SFT) はまれであり, 過去に10例の報告があるのみである. 栄養血管塞栓術後にテント上下からアプローチすることでほぼ全摘出できた症例を報告する. 患者は49歳, 女性. 2カ月前からのふらつきを主訴に来院した. 頭部MRIで右後頭蓋窩からテント上に進展する腫瘍を認めた. 脳血管造影で後頭動脈から栄養血管を認め, 小脳テント髄膜腫の診断で手術を行った. 栄養血管塞栓術後にテント上下に開頭し, 腫瘍を摘出した. 病理診断はSFTであった. SFTの術前診断は困難であるが, テント上下に進展する脳実質外腫瘍の鑑別として挙げる必要がある.
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© 2016 日本脳神経外科コングレス

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