脳神経外科ジャーナル
Online ISSN : 2187-3100
Print ISSN : 0917-950X
ISSN-L : 0917-950X
特集 体位頭位から微小解剖まで
半球間裂アプローチ : Minimum retraction concept
大塩 恒太郎内田 将司松森 隆史伊藤 英道高砂 浩史田中 雄一郎
著者情報
ジャーナル フリー

2018 年 27 巻 11 号 p. 810-817

詳細
抄録

 半球間裂アプローチ (IHA) は, 大脳正中およびその近傍病変に適応されるが, 前方からanterior IHA, middle IHA, posterior IHAの3つに分けると理解しやすい. 術野確保のため半球間裂を広げるが, 脳ベラによる脳圧排はときに静脈灌流障害や脳挫滅を招く. これらの合併症は, 術前に架橋皮質静脈を十分評価し, 左右のアプローチ側を決め, 静脈を十分に剝離することや頭位の工夫で避けることが可能である. 特に術野で大脳縦裂を水平にするhorizontal IHAは以下の理由により脳へのダメージを軽減しうる. 脳自重の利用で脳ベラ使用を最小限にし, 水平方向に広い術野を確保できる. 本法に必要な手術体位と頭部固定について症例を提示し解説する.

著者関連情報
© 2018 日本脳神経外科コングレス
前の記事 次の記事
feedback
Top