2018 年 27 巻 6 号 p. 470-476
前頭蓋窩と鼻腔に進展するダンベル型のglomangiopericytomaの1例を経験した. 栄養血管塞栓後, 経鼻的および両側前頭開頭で一期的に腫瘍を摘出した. HE染色で血管外皮腫様の所見があり, 免疫組織学的検査でα-SMAが陽性, S-100 protein, NSE, STAT6, CD34, EMAが陰性であったことから確定診断に至った. 再発予防目的に定位放射線治療を追加した. 前頭蓋窩と鼻腔に進展する腫瘍の鑑別として孤立性線維性腫瘍/血管外皮腫, 嗅神経芽細胞腫, 髄膜腫, 扁平上皮癌などが挙がるがglomangiopericytomaも可能性の1つとして考慮すべきである.