脳神経外科ジャーナル
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特集 小児脳神経外科疾患の課題と展望
頭蓋骨縫合早期癒合症に対する手術治療
―開頭法 (従来法) を中心に―
朴 永銖中瀬 裕之
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2018 年 27 巻 9 号 p. 670-678

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抄録

 頭蓋縫合早期癒合症は, 頭蓋骨だけの早期癒合である非症候群性頭蓋縫合早期癒合症 (85%) と, 上顎骨, 指趾, 四肢に形成異常を合併している症候群性頭蓋縫合早期癒合症 (15%) に大別される. 治療の目的は, 頭蓋の拡大によって頭蓋内圧を正常化し, 知能障害や視力障害などの神経障害の発生を予防すること, 頭蓋・顔面の形態異常の矯正を図ることにある. さらに, 症候群性においては, 合併する水頭症, 小脳扁桃下垂による神経障害の改善を目的とする. 外科治療の適応と適切な手術時期がきわめて重要であり, 各病態に応じた手術戦略を理解することが脳神経外科専門医に求められる.

 本稿では, 開頭法 (従来法) の手術手技を, 前頭眼窩全身術 (fronto-orbital advancement : FOA) を中心として解説し, 手術における要点と合併症回避のポイントについて述べる.

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© 2018 日本脳神経外科コングレス
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