2019 年 28 巻 3 号 p. 165-171
下位頚椎に生じた高流量のvertebro-vertebral arteriovenous fistula (VVAVF) の1例を報告する.
3歳女児. 出生時からの頚部血管雑音が持続し, MRIにてC7, Th1レベルの脊柱管内の異常信号が認められた. 血管撮影で左椎骨動脈から分岐する分節動脈から椎間静脈への動静脈瘻を認め, 離脱型コイルによる経動脈的塞栓術で根治を得た. 特発性のVVAVFは発生学的には傍脊索動静脈瘻 (parachordal AVF) に属し, 下位頚椎に生ずる場合低流量シャントになることが多いが, 本症例は高流量でかつsingle-hole AVFのためダブルカテーテルテクニックを用いた経動脈的塞栓が有効であった.