2019 年 28 巻 6 号 p. 326-333
てんかんの外科治療は薬剤抵抗性てんかんに対して検討されるが, 多くの患者は長期の罹病期間を経てから薬剤抵抗性と判断され外科治療に至る. てんかん焦点が明らかで術後に良好な発作転帰が予想される患者には早期の外科治療が望ましい. 代表的なものに内側側頭葉てんかんと, てんかん原性腫瘍によるてんかんがある. 一方, てんかん焦点が多焦点性で難しいがきわめて薬剤抵抗性のために, 常に専門的な見地から外科治療の可能性を探るべき複雑なてんかん症候群がある. これには, 結節性硬化症やWest症候群, Lennox-Gastaut症候群などが含まれる. 外科適応を拡大するためにも, わが国には低侵襲デバイスの導入が待たれている.