2019 年 28 巻 8 号 p. 462-469
髄膜腫は基本的に良性腫瘍であり, 無症候性の小病変 (2cm未満) は初期治療としては経過観察が妥当である. 無症候性病変に対して治療を考慮する場合, 手術適応 (腫瘍増大リスクの有無), 治療法および治療リスクを十分検討する必要がある. 実際の手術では, グレード1髄膜腫の場合, 被膜の有無により剝離面を決定し, 脳損傷を最小に抑える努力が必要であるが, 悪性髄膜腫では摘出度にかかわらず術後放射線治療を考慮 (特にグレード3) する必要がある. 一方で今後DNAのmethylationによる分類が導入されれば, WHO分類による上記治療法のパラダイムシフトが生じる可能性もある.