2020 年 29 巻 10 号 p. 690-696
頭蓋内狭窄・閉塞症の治療には, 形態学的評価のみならず脳循環代謝動態の評価が重要である. 慢性脳虚血における脳循環代謝計測法はPETやSPECTが中心となる. 酸素代謝や血管反応性の指標が, 脳虚血時にどのように変化するかを正しく理解することで, 適切な病態評価, 治療法選択, 治療後評価が可能となる. 脳梗塞急性期では, 近年行われた臨床試験の結果から, 解析方法を統一したMRI灌流画像が, 血栓回収療法の適応判断に有用であることが示された. 本稿では頭蓋内狭窄・閉塞病変の脳循環評価について, 文献や自験例を交えつつ概説する.