脳神経外科ジャーナル
Online ISSN : 2187-3100
Print ISSN : 0917-950X
ISSN-L : 0917-950X
特集 頭蓋内血管狭窄病変
頭蓋内血管狭窄病変の手術治療の可能性 (動脈硬化性病変)
井上 智弘小野 秀明赤羽 敦也落合 慈之田村 晃斎藤 勇
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

2020 年 29 巻 10 号 p. 709-715

詳細
抄録

 主幹動脈狭窄が症候性となるとき, 以下の2原因が考えられる. ①狭窄部のプラーク破綻で, A to A embolismを起こす. ②狭窄末梢にhemodynamic ischemiaを起こす. 治療戦略は以下に分かれる. ①は内科的にプラークを安定化するか安全にstentを挿入する技術的発展が必須. 対して②は狭窄末梢にSTA-MCA, STA-SCAなどのバイパスを置くことで, 不安定プラークを刺激せずに予備能の低下した高度狭窄末梢灌流域に広範な虚血を回避し, かつ過灌流を避けて徐々に血行が発達することを期待できる. 開頭脳塞栓摘出術, 脳血管吻合手術, 動脈硬化性椎骨脳底動脈閉塞への緊急血行再建などの開頭手術経験から得た教訓的な症例を例示し検討する.

著者関連情報
© 2020 日本脳神経外科コングレス

この記事はクリエイティブ・コモンズ [表示 - 非営利 - 改変禁止 4.0 国際]ライセンスの下に提供されています。
https://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/4.0/deed.ja
前の記事 次の記事
feedback
Top