2020 年 29 巻 10 号 p. 718-725
明細胞性髄膜腫は髄膜腫のうち0.2%とされ非常にまれである. 全摘出後に頭蓋内転移をきたし, 開頭手術とガンマナイフを組み合わせて治療した症例を報告する. 左下肢脱力が出現し, MRIで右前頭葉腫瘍を指摘された. 全摘出後, 左麻痺は改善した. 病理組織で明細胞性髄膜腫と診断した. 術後60Gy拡大局所照射を施行したが, 初回手術より16カ月後に再発病変を3カ所認め, これらの病変に対しガンマナイフを施行した. しかし, 2カ所は増大が続き, 第2回開頭術を施行した. 病理診断は明細胞性髄膜腫の再発であった. 同腫瘍に対するガンマナイフの有用性は, 小体積と高線量が有効とはいえるが, いまだ不明確である. さらなる症例の蓄積が期待される.