2020 年 29 巻 10 号 p. 735-739
脳神経外科領域のイラストは微細な構造の集合体が対象となる. 顕微鏡や内視鏡の焦点深度や, 進入角のわずかな変化により対象の見え方は大きく異なってくることから, 術野を忠実に表現しようとするほど描出できる構造が限定される. しかしながら術中には死角となる深部の重要構造を理解することが重要である. これらの問題を解決する手助けとして, 意図的に本来の術野と異なる視点から対象構造を描出し, 手術中には死角となる重要構造の表現を試み, これにより得られる利点について検討した.