脳神経外科ジャーナル
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特集 脳神経外科と医療連携
今後の脳ドックの方向性
上山 憲司大里 俊明渡部 寿一麓 健太朗荻野 達也瀬尾 善宣中村 博彦
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2020 年 29 巻 9 号 p. 604-610

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抄録

 本邦における脳ドックの始まりは1988年であり, 脳神経外科領域では未破裂脳動脈瘤の検出に始まり, 神経内科領域では無症候性脳梗塞と大脳白質病変の病因や背景因子の探求に始まった. 現在, 日本脳ドック学会は, 「脳卒中・認知症予防のための医学会」 が学会の副称にも加えられ脳卒中と認知症予防が最大の目標と掲げている. 将来, 脳ドックは蓄積された多くのデータを活用したartificial intelligence (AI) 診断技術がさらに進歩を遂げ, 発見された脳疾患に対する自然経過や治療介入による予測される転帰などについて具体的かつ長期的なエビデンスを示す方向へと進んでいくであろう. さらに, 脳ドックはデータ集積と更新を継続し, 科学的根拠に基づいた本邦における任意型健診における無症候性脳疾患の標準的指導および介入の礎を築いていくものと考える.

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© 2020 日本脳神経外科コングレス

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