脳神経外科ジャーナル
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卒中発作をきたした脳腫瘍 : 19症例の臨床的検討
姉川 繁敬林 隆士鳥越 隆一郎原田 克彦戸田 啓介伊藤 裕司
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1994 年 3 巻 6 号 p. 507-514

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抄録
卒中発作により発症した脳腫瘍の19例につき,その画像所見,臨床経過,病理学的所見について報告した.発症時の症状としては急性頭蓋内圧亢進症状ならびに意識障害がほとんどの症例でみられた.臨床的特徴としては,発症前から家族は漠然とした性格変化を感じていることが多いこと,再出血の頻度が高いこと,出血は他の部位の手術や外傷に引き続いて起こってくることが多いこと,などがあげられる.また,症状発現の機序としては,非常に大きく生育した腫瘍がわずかな出血により圧緩衝が不可能となる,わずかな出血による腫瘍の増大が脳幹部など重要な部位を圧迫し症状を発現する,大量の出血により急激に頭蓋内圧が増大する,などが考えられた.
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© 1994 日本脳神経外科コングレス

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