脳神経外科ジャーナル
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症例報告
妊娠後期に下垂体卒中を起こし緊急手術を必要としたプロラクチン産生下垂体腺腫の1例
長尾 裕一郎神部 敦司坂本 誠黒﨑 雅道中村 陽祐伊澤 正一郎牧嶋 かれん桑本 聡史梅北 義久
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2021 年 30 巻 2 号 p. 146-151

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抄録

 プロラクチン産生下垂体腺腫に対してカベルゴリン (CAB) 内服加療中に妊娠した21歳女性. 妊娠判明後にCABは中止となった. 妊娠後期に両耳側半盲を認め, 高プロラクチン (PRL) 血症があり, MRIにて腫瘍内部に液面形成像と視交叉の圧排を認めた. 帝王切開術後に一期的に内視鏡下経鼻的下垂体腫瘍摘出術を行った. 病理組織学的所見はsparsely granulated lactotroph adenoma (SGLA) でaggressiveな所見を認めた. 術後視野障害の顕著な改善を認めた. 本症例では妊娠による生理的変化と妊娠判明後のCAB投与中止が下垂体卒中の発症と病理組織学的にaggressiveな所見に影響を与えた可能性がある. このような症例では, 他科との連携による集学的なアプローチを用いた治療が求められる.

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© 2021 日本脳神経外科コングレス
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