近年, さまざまな診療方法の発達に伴い1人の術者が経験できる直達術の機会は減少傾向にある. このような状況において, 効率よく安全に手術手技を伝えるためには症例経験の共有が重要である. われわれの施設では1つの手術症例をセッティングから閉頭, また術前検討や術後の神経学的所見に至るまで多角的 (映像・音声・各種モニタリングなど) に記録し編集することで, 正確かつ効果的に手術経験を共有している (マルチビューイング手術映像記録法). 同方法は一般に普及した情報技術を活用することで実施可能であり, また特別な知識も必要とせず誰にでも作成可能である. またタブレット端末との相性もよいため手術学習においても非常に有効な方法である.