脳神経外科ジャーナル
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特集 術野の向こうに何が見えるか:脳機能温存のための微小解剖
高次脳機能温存のための白質解剖
中田 光俊木下 雅史中嶋 理帆篠原 治道
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ジャーナル オープンアクセス

2022 年 31 巻 6 号 p. 356-367

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抄録

 高次脳機能とは, 伝達・表現・理解・遂行するためのヒトの高度な機能の総称である. 脳神経外科手術において高次脳機能を温存するためには, その機能局在および関連する神経ネットワークを知ることが必須である. われわれは白質神経線維の走行を理解するためには白質解剖が最も優れた手法であると考える. 高次脳機能を司る上縦束, 下前頭後頭束, 下縦束, 前頭斜走路, 帯状束は白質解剖で剖出できる. 覚醒下手術中に適切なタスクを用いて, これらの神経線維束が担う高次脳機能関連領域を同定することが可能であり, 同部位を傷害しないことで全身麻酔手術では温存し得なかった高次脳機能を意図的に温存できるようになった.

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© 2022 日本脳神経外科コングレス

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