2022 年 31 巻 7 号 p. 448-453
近年, 運動異常症に対する治療法は, 脳深部刺激療法 (deep brain stimulation : DBS) と凝固術がともに進歩・発展している. 2020年末に本邦においてadaptive DBS (aDBS) が臨床応用されるようになった. aDBSは, 電極周囲のフィールド電位をリアルタイムにフィードバックし, 刺激強度を変化させる画期的な治療技術である. 一方, 凝固術の新技術として集束超音波治療 (focused ultrasound : FUS) が登場したが, 従来の高周波凝固術も再評価されつつある. 特にこれまで避けるべきとされてきた両側凝固術についても一定の評価がなされつつある. 不随意運動・パーキンソン病に対するDBSと凝固術について, 新技術・新知見の理解を踏まえて, 今後の課題について検討する.