脳神経外科ジャーナル
Online ISSN : 2187-3100
Print ISSN : 0917-950X
ISSN-L : 0917-950X
原著
難治性三叉神経痛に対する “nerve combing” による治療経験
森 健太郎佐々木 裕亮酒井 淳赤須 功山川 功太北川 亮吉田 浩貴沼澤 真一伊藤 康信渡邉 貞義
著者情報
ジャーナル フリー

2022 年 31 巻 7 号 p. 464-469

詳細
抄録

 微小脳血管減圧術を施行したが再発, あるいは未治癒の突発性三叉神経痛でカルバマゼピン非耐性の5症例に対して, 再手術の際に三叉神経知覚枝のnerve combingを施行した. 全例術直後からカルバマゼピン内服なく疼痛発作が完全消失したが, 5例中4例 (80%) に三叉神経第3枝領域を中心とした顔面知覚障害が残存した. 術後1~5年の時点で再発を認めずQOLも良好である. 再発三叉神経痛で責任血管が明らかでなく, かつカルバマゼピン非耐性例に対してはnerve combing法は有効な治療法と思われる. なお, nerve combing法を予定する場合は術前に顔面知覚障害をきたす可能性が高いことを説明すべきである.

著者関連情報
© 2022 日本脳神経外科コングレス
前の記事 次の記事
feedback
Top