2023 年 32 巻 7 号 p. 417-424
難治性てんかん患者に対して根治的手術を行うには, てんかん原性領域の同定が必要である. てんかん原性領域を高精度で推定できる単一の検査は存在せず, 多面的な検査を統合しててんかん原性領域を推定する. さまざまなてんかん原性領域検索検査の中で空間的・時間的に最も精度が高いのが頭蓋内電極による検査である. 頭蓋内電極には, 硬膜下電極と深部電極があり, 近年国内に導入された定位頭蓋内電極は複数の深部電極を用い, 硬膜下電極とは電極配置, 手技, 結果の解釈および切除術の戦略が異なるため注意を要する. 手術, 検査ともに低侵襲性と信頼性が求められており, 特徴を踏まえた電極選択と適切な活用が必要である.