脳神経外科ジャーナル
Online ISSN : 2187-3100
Print ISSN : 0917-950X
ISSN-L : 0917-950X
症例報告
コラーゲン使用吸収性人工硬膜を使用した脳動脈瘤クリッピング術後に好酸球性髄膜炎による水頭症・脊髄空洞症を発症した1例
豊田 茉梨子花北 順哉宮坂 和弘竹原 誠也金本 忠久鈴木 洋司長堀 貴島内 寛也兼松 龍南 学隈部 俊宏高橋 敏行
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

2024 年 33 巻 4 号 p. 290-294

詳細
抄録

 好酸球性髄膜炎はまれに脳神経外科手術後の体内異物に対するアレルギー反応に起因して発症する. 本症例は, コラーゲン使用吸収性人工硬膜 (resorbable collagen dural substitute : RCDS) を使用した手術後に, 無菌性髄膜炎およびシャント機能不全を繰り返す水頭症を合併した. 髄液中の好酸球増多から好酸球性髄膜炎を疑いステロイド治療が奏効したが, 頭蓋頚椎移行部の癒着性くも膜炎により遅発性に症候化する脊髄空洞症を合併した. 手術でRCDSを使用する際は, 早期から晩期にわたり好酸球性髄膜炎とそれに引き続く病態が生じる可能性を認識し, 髄液所見や脊椎MRIを適宜確認する必要がある.

著者関連情報
© 2024 日本脳神経外科コングレス

この記事はクリエイティブ・コモンズ [表示 - 非営利 - 改変禁止 4.0 国際]ライセンスの下に提供されています。
https://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/4.0/deed.ja
前の記事 次の記事
feedback
Top