脳神経外科ジャーナル
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脳神経外科診療とIT
AIとICTは体内埋込型デバイスによる機能的脳神経外科をどう変えるか
栁澤 琢史
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ジャーナル オープンアクセス

2024 年 33 巻 4 号 p. 296-298

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抄録

 AI技術や体内埋込型デバイスの発達に伴い, 脳波の自動診断やモニタリングが可能となり, 患者ごとの個別で大量のデータをAIがクラウドで管理するICTを用いた診療が期待される. 特にてんかん診療は, これまで専門医が中心となり甚大な労力と努力で支えてきたが, AIとICTにより, 診療の質が大きく改善し, 治療の均てん化にもつながるだろう.

 われわれは頭蓋内脳波に深層学習を適用することで, てんかん発作を高い精度で検知する技術を開発した. 学習されたモデルを解析し, てんかん発作に特徴的な脳波のパターンを同定した. 同定された特徴量は旧来の脳波特徴よりも高い精度で発作を検知できた. 今後, 埋込デバイスとICTにより大規模脳波データが得られ, AIによる自動診断が診療を支えるようになる中で, 学習されたモデルから新しい脳波特徴の同定などてんかん病態の解明も期待される.

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© 2023 日本脳神経外科コングレス

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