脳神経外科ジャーナル
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髄腔内播種をきたした下垂体腺腫の1例
田中 良英津田 昌子佐藤 正純菅野 洋所 和彦山本 勇夫木村 聖子北村 均
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1996 年 5 巻 5 号 p. 391-397

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抄録

症例は視力低下で発症した52歳の女性.鞍上・側方進展を示す非機能性下垂体腺腫に対し開頭腫瘍摘出術を施行したが,7カ月後再発を認めたため2回の追加手術と放射線部分照射を施行した.しかし初回手術から2年8カ月後に大礼前半部および右小脳半球に播種性転移を認めたため,大孔部腫瘍を延髄腹側に癒着した部分を残し亜全摘した.しかしその後残存腫瘍の増大と新たな転移を認め,8カ月後に死亡した.原発巣,再発巣の組織は異型性のない下垂体腺腫であったのに対し,転移巣には核の異型性などの組織変化がみられた.MIB-1陽性率は原発巣1.1%,再発巣6.4%,転移巣7.9%と,再発巣,転移巣で高値を示した.

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© 1996 日本脳神経外科コングレス
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