抄録
gamma knife radiosurgeryが施行された43例の聴神経腫瘍に対するtumor controlを検討した.累積縮小率は治療後1年で42%, 2年で75%, 3年で92%と漸次増加した.SPECTによる^<99m>Tc-DTPA-human serum albumin(HSA-D)の取り込みの検討では,early image(tumor vascularityを示す)にて術後1年目で有意に減少を認めた.また,これらの症例で腫瘍内血管床の減少に続き,術後2年目で有意に腫瘍体積の減少を認めた.一方,術後18カ月目の病理組織にて腫瘍内皿管壁の著しい肥厚と閉塞を認めた.これらの所見はgamma knife radiosurgeryの腫瘍縮小に対する効果の一つとして,腫瘍内血管の閉塞による栄養障害が関与していることを示唆している.