目的:等尺性腱板訓練器による筋力訓練が肩関節の可動域に影響するのかを調査する目的で,本訓練器を用いた訓練の前後での肩関節可動域を比較した.また,訓練中の肩関節周囲筋の筋活動を検討した.
方法:可動域は,訓練前後に外転位での内旋角度,複合外転角度と水平内転角度を測定した.筋活動は,筋電図を用いて三角筋後部と棘下筋の%MVC(MVC, maximum voluntary contraction)を算出した.
結果:訓練前後で可動域の変化は認められなかった.筋活動は,三角筋に比べ棘下筋が有意に高値を示した.
考察:腱板訓練前後での可動域の拡大には,収縮持続時間や反復回数が関係していると考えられる.
結語:可動域への影響を最小限に抑えつつ筋力訓練を行いたい場合に,今回の等尺性腱板訓練器で訓練することは,筋力の回復に有用であると考えられる.