2019 年 44 巻 1 号 p. 41-47
目的:当院では,簡便に等尺性の腱板訓練が行える腱板訓練器を開発してきた.今回,腱板訓練器,徒手抵抗および理学療法士の介入によるエクササイズを比較し,腱板訓練器を用いたセルフエクササイズの有効性を検証する.
方法:各エクササイズの等尺性肩外旋運動における棘下筋,三角筋前部中部および後部,上腕二頭筋,上腕三頭筋,前鋸筋,広背筋の筋活動を表面筋電計で計測し,%MVC (MVC, maximum voluntary contraction)を算出した.
結果:腱板訓練器を用いたセルフエクササイズでは,棘下筋の筋活動を示す%MVCが他筋に比べて有意に高く,徒手抵抗および理学療法士によるエクササイズと比べて棘下筋の活動が有意に高かった.
考察:腱板訓練器を用いたセルフエクササイズは,徒手抵抗または理学療法士によるエクササイズよりも棘下筋を選択的に訓練できることが示された.
結論:腱板訓練器を用いたセルフエクササイズは,棘下筋の訓練に有用である.