日本臨床整形外科学会雑誌
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経口鎮痛薬別に比較した自己完結型急性腰痛の疼痛強度変化
高橋 弦
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2025 年 50 巻 1 号 p. 19-25

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抄録

 急性腰痛の大部分は痛みが急速に寛解する自己完結型である.非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)は抗炎症作用により創傷治癒を遅らせる可能性があるため,当院では急性腰痛の鎮痛薬として原則アセトアミノフェン(AA)低量(低AA:一日1000 mg以下),日常生活動作(ADL)障害が強い症例にはAA高量(高AA:2000~4000 mg),成長期患者には投与しない,患者の希望を考慮する,を処方指針としている.本研究では初診後3ヶ月以内にVAS値が30 mm以下になった自己完結型急性腰痛症例を抽出し,症例を低AA群,高AA群,NSAIDs群,経口鎮痛薬不使用群の4群に分類して,VAS値経過を時系列データで比較した.該当症例は121例(男61,女60,平均年齢47.3歳)であった.VAS値平均値は初診から28経過日まで全ての経過日おいて4群間で有意差は認められなかった.

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