認知心理学研究
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原著
幼児における描画構成の発達:空間認知と反応の切り替えの観点から
進藤 将敏
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2014 年 11 巻 2 号 p. 127-136

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抄録

本研究では,幼児期の描画構成の発達にかかわる認知的側面を捉える目的から,描く大きさと位置を捉えるための空間認知能力と状況に応じて描く反応を切り替える能力に着目した.4歳児20名,5歳児22名,6歳児21名が描画課題,空間認知課題,切り替え課題のおのおのに参加した.主な結果として,(1)描画課題では通常描かれにくい非標準型の対象の描画が5歳児から6歳児にかけて増加した.(2)空間認知課題と切り替え課題では,年齢とともに得点が向上した.(3)年齢を統制した場合,非標準型を描いた参加児と標準型を描いた参加児の違いとして,前者のほうが後者よりも空間認知得点および切り替え得点が共に高いことが明らかとなった.以上から,空間認知と反応の切り替えは別個の要因であるが,両者は共に描画構成の発達に関与することが示唆された.

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© 2014 日本認知心理学会
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