抄録
本研究は,能動的随伴性課題における反応確率効果におよぼす結果密度の影響を調べた.反応確率効果は,反応と結果の同時発生を経験することで,随伴性評価が高まると説明される.反応確率効果は先行研究によって示されているが,その研究では,学習フェーズにおいて参加者が経験する結果密度として,1つの値だけを用いていた.そこで,本研究は,3つの結果密度の値(実験1:76%,24%;実験2:10%)を用いて,反応確率効果を再度調べた.実験の結果,結果密度が76%の条件において反応確率効果が生じ,ほかの条件では生じなかった.本実験結果は,反応確率効果が高い結果密度を経験したときに限って生起することを示唆している.