本研究では文字フォントが漢字二字からなる単語の感情次元における判断に影響を及ぼすかを検討した.実験では快あるいは不快な意味を持つ日本語の単語を丸フォントまたは尖フォントで提示した.参加者( N=92)は提示された単語の感情価をできるだけすばやく正確に判断する課題を行った.あわせて,丸フォントと尖フォントそれぞれの印象をセマンティック・ディファレンシャル(SD)法によって測定した.実験の結果,丸フォントが尖フォントよりも快の感情価をもつことが確認された.さらに単語の感情価とフォントの感情価が一致しているときは,不一致のときに比べて,反応時間の中央値が短くなった.この一致性効果は,尖フォントに比べて丸フォントのときに大きかった.これらの結果は,課題に関連しないフォントの情報が単語の意味の感情価判断に影響することを示唆している.