認知心理学研究
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認知面接と修正版認知面接における出来事の再生と反復提示された誘導情報の情報源再認
白石 紘章仲 真紀子海老原 直邦
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2006 年 4 巻 1 号 p. 33-42

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抄録

本研究は映画で提示された情報の再生,および情報源再認について,2種類の認知面接の効果を検討したものである.特に,繰り返し誘導情報を与えた場合の情報源再認について,面接の効果を評価した.72名の大学生は映画を見た後,誘導情報を含む事後質問紙に回答した.誘導情報の反復回数は,0回,1回,3回と操作された.24時間後,参加者は,認知面接,“文脈の心的再現”と“悉皆報告”教示で構成された修正版認知面接,または構造面接のいずれかを受けた.面接後,参加者は誘導情報についての情報源再認課題を行った.その結果,修正版認知面接は,認知面接よりも所要時間が短いにもかかわらず,構造面接よりも多くの,認知面接に匹敵する情報量を引き出した.しかし一方で,修正版認知面接,構造面接よりも認知面接で,情報源判断が優れていた.結果について理論的,実務的な観点から考察を行った.

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© 2006 日本認知心理学会
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