認知心理学研究
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原著
トップダウンの注意が前景と背景の変化検出に及ぼす影響
嘉幡 貴至松本 絵理子
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2009 年 7 巻 1 号 p. 9-16

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抄録
前景-背景分割を伴う視覚刺激を用いた変化検出課題では前景の変化は容易に検出されるが,一方で背景の変化はしばしば見落とされる.それゆえ,注意は選択的に前景に割り当てられると考えられている.本研究では,前景と背景の変化確率の違いや教示によって生成されるトップダウンの注意の役割を検討した.参加者は教示(教示なし,分割注意)と前景と背景の変化率(1対1,1対5)を操作した変化検出課題を行った.その結果,背景変化率が高く,前景変化率が低い場合と,参加者が意識的に注意を前景と背景に配分した場合に,前景と背景への注意配分は調整された.本研究の結果は,前景と背景への注意の特性がトップダウンの注意によって変化することを示唆する.
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© 2009 日本認知心理学会
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