日本大腸肛門病学会雑誌
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原著
80歳以上高齢者の大腸手術におけるPOSSUM, P-POSSUM, CR-POSSUMの有用性に関する検討
荒川 敏小澤 壯治梅本 俊治白石 天三永田 英俊
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2009 年 62 巻 3 号 p. 139-146

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抄録

目的: 80歳以上高齢者の大腸手術における手術リスク評価としてPOSSUM(以下P),P-POSSUM(以下P-P),CR-POSSUM(以下CR-P)の有用性を検討した.対象: 2001年1月から2007年3月までに局麻手術を除く大腸手術を施行した高齢者60例.方法: P, P-P, CR-Pを術後合併症発生群と非発生群に分けて比較検討した.結果: 術後合併症発生群は非発生群に比べてPのすべての項目で高値であり,P-Pでは術後死亡率予測は高値であった.CR-PではOSのみ高値であった.術後合併症発生の高リスク群をPS27以上,OS14以上と設定すると,高リスク群で術後合併症発生は有意に高率となった.考察: 術後合併症予測にPは有用である.術後死亡率予測はP-Pの方が有用である.高齢者大腸手術における術後合併症発生と死亡率予測にはCR-PよりもP,P-Pの方が有用である.

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© 2009 日本大腸肛門病学会

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