日本大腸肛門病学会雑誌
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原著
腹腔鏡下手術における至適前処置法の検討
山口 貴也稲次 直樹吉川 周作増田 勉内田 秀樹久下 博之横谷 倫世山岡 健太郎下林 孝好稲垣 水美
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2011 年 64 巻 2 号 p. 62-66

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抄録

目的:腹腔鏡下手術時に腸管拡張を抑え,良好な術野展開を可能にするための最適な前処置法の確立.方法:腹腔鏡下手術を行った67例をmagnesium citrate(MGC,マグコロールP®高張液)またはpolyethylene glycol electrolyte solution(PEG,ニフレック®等張液)を前処置として使用した2群に割り付け,手術時の小腸および大腸の拡張をスコア化し比較検討する.結果:全症例および大腸癌症例において,MGCがPEGと比較し小腸(上部,中部,下部)および上行結腸,横行結腸の拡張を有意に抑制した.結語:MGC高張液を用いた前処置法は腹腔鏡下手術時の腸管拡張を抑制し,術野の展開を容易にすることで安全な手術を行うことに寄与すると考えられた.

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© 2011 日本大腸肛門病学会

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