日本大腸肛門病学会雑誌
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症例報告
Oxaliplatinに対するアナフィラキシーショックを来した2例
田本 英司奥芝 知郎草野 真暢
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2012 年 65 巻 8 号 p. 447-452

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抄録

Oxaliplatin(L-OHP)を使用したFOLFOX療法は大腸癌に対する化学療法として広く普及しており,その使用頻度の増加に伴い重篤な副作用であるアナフィラキシーの発生も増えると考えられる.我々はL-OHPによるアナフィラキシーを発症した2例を経験した.症例1:63歳,男性.切除不能虫垂癌の診断でFOLFOX4療法を施行.末梢神経障害のため一時FOLFIRI療法に変更したが,再投与を行い2コース目(合計11コース目)にアナフィラキシーを発症した.症例2:71歳,男性.切除不能S状結腸癌の診断でFOLFIRI療法を行った後にmFOLFOX6療法を施行し,14コース目にアナフィラキシーが発生した.L-OHPによるアナフィラキシー発生の予測は困難であるため,その投与に際してはクリニカルパスを有効に活用してアナフィラキシーの発生を早期に発見し,迅速な対処ができるよう準備をしておくべきである.

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© 2012 日本大腸肛門病学会

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