日本大腸肛門病学会雑誌
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症例報告
術前mFOLFOX6+bevacizumabが奏効しpCRを得た盲腸腺内分泌細胞癌の1切除例
向井 俊貴福長 洋介池田 篤志根木 快永末 裕友山川 景子及川 芳徳秋吉 高志小西 毅藤本 佳也長山 聡上野 雅資水沼 信之
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2013 年 66 巻 2 号 p. 110-116

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抄録

今回われわれは,右鼡径リンパ節に転移をきたした盲腸腺内分泌細胞癌に対して化学療法を行いpCRを得た一切除例を報告する.
症例は58歳男性.盲腸原発腺内分泌細胞癌および右鼡径リンパ節転移の診断でmFOLFOX6+bevacizumabを開始した.6コース後にPETで右鼡径リンパ節への集積が消失した時点で腹腔鏡下回盲部切除術および右鼡径リンパ節郭清術を施行した.病理では主病巣,リンパ節ともにviable tumor cellなく治療効果はGrade3,pCRであった.術後にmFOLFOX6+bevacizumabを6コース行い,18ヵ月再発所見はない.
内分泌細胞癌に腺癌を含む腺内分泌細胞癌は,早期から転移をきたしやすく予後不良とされる.本症例は結腸癌では非常に稀な鼡径リンパ節転移も認めた.確立された化学療法はなく,肺小細胞癌に準じた治療が行われることが多いが,大腸腺内分泌細胞癌に対しては一般の大腸癌に準じた化学療法も考慮すべきと考えられた.

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© 2013 日本大腸肛門病学会

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