日本大腸肛門病学会雑誌
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症例報告
一時消退し再増大にて切除したまれな尾骨滑膜嚢胞の1例
柴田 佳久
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2014 年 67 巻 6 号 p. 413-417

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抄録
会陰部に発生する嚢胞性腫瘤にはdevelopmental cystsがある.まれだが骨盤から仙尾骨付近に発生する滑膜包炎の報告もある.今回疼痛を伴う腫瘤として発生し,一時消退の後に摘出した尾骨部滑膜嚢胞を経験した.亀背の80歳代女性.圧痛を伴う5cm径の会陰部腫瘤として受診.臀部正中の皮下epidermoid cystとして手術予定としたが自然縮小したため本人の希望により経過観察となる.その2年後再増大がみられたことから尾骨合併摘出術を施行した.病理組織学的に尾骨部の滑膜嚢胞と診断した.術後2年を経て再発をみていない.滑膜嚢胞(滑膜包炎)は整形外科領域で体幹や四肢での発生報告がみられるが,会陰部(尾骨)発生はまれであり,完全摘出の必要性を含め考察する.
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© 2014 日本大腸肛門病学会

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