日本大腸肛門病学会雑誌
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症例報告
内視鏡的バルーン拡張術およびステロイド局注が有効であった狭窄型虚血性大腸炎の1例
五十畑 則之根本 大樹遠藤 俊吾歌野 健一大谷 泰介添田 暢俊齋藤 拓朗冨樫 一智
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2015 年 68 巻 2 号 p. 86-91

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抄録

症例は76歳の男性.主訴は左下腹部痛.同様の症状が9ヵ月前にもあった.保存的加療により症状は軽快し退院となるも,退院18日後に腸管洗浄剤を内服したところ症状の再燃があった.CTで下行結腸に限局する炎症所見を認めた.大腸内視鏡検査では下行結腸に全周性狭窄を認め,スコープは通過しなかった.粘膜の不整はなく生検はGroup1であった.臨床経過と検査所見より狭窄型虚血性腸炎と診断し内視鏡的バルーン拡張術を2度行った.しかし再狭窄をきたすため,3度目,4度目のバルーン拡張はステロイドの局注を併用して行い,5度目はステロイドの局注のみ行ったところ,6ヵ月後に狭窄は完全に消失した.同法は再発を繰り返す良性結腸狭窄に対する治療法の選択肢となりうると考えられた.

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© 2015 日本大腸肛門病学会

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