日本大腸肛門病学会雑誌
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主題II:感染性腸炎―up to date―
I.市中感染下痢症と旅行者下痢症の動向
後藤 哲志
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2018 年 71 巻 10 号 p. 435-446

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抄録

市中感染性下痢症には食中毒と散発性下痢症が含まれ,両者で病原体の多くが共通する.細菌性ではカンピロバクター属,ウェルシュ菌,サルモネラ属,腸炎ビブリオ,下痢原性大腸菌が代表的で夏季に多い.ウイルス性ではノロウイルスとロタウイルスが代表的であり冬季に多い.旅行者下痢症は細菌性が約8割,寄生虫性,ウイルス性がそれぞれ約1割を占める.下痢原性大腸菌,カンピロバクター属の頻度が高い.他にジアルジア,赤痢菌,コレラ菌,チフス菌,パラチフスA菌などが重要である.本稿ではこれらの疾患の概要と動向について解説した.

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© 2018 日本大腸肛門病学会

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