2018 年 71 巻 10 号 p. 425-434
本稿では,分子生物学的分類であるConsensus Molecular Subtype(CMS),新たな分子生物学的診断法であるLiquid biopsy,そして分子生物学的検査から個別化治療を推進するSCRUM-Japanの取り組みについて概説する.Liquid biopsyにはCirculating tumor cells(CTC)やcirculating tumor DNA(ctDNA),exosomeに含まれたmicroRNAが用いられる.CTC数やctDNA量などのMolecular volumeは腫瘍量を反映し,その増減により治療効果をモニタリングできる.術後のCTCやctDNAの存在は術後再発危険因子である.原発巣と転移巣の分子プロファイルは異なることがあるため,Liquid biopsyを用いたHeterogeneityの把握は分子標的薬の効果予測に有用である.