2019 年 72 巻 7 号 p. 449-455
症例は66歳男性で34歳時にクローン病を発症し,計4回の手術を経て5年間の寛解を維持していた.今回,貧血,低アルブミン血症,上腹部に軟性腫瘤による膨隆を認め精査目的に入院となった.画像検査により消化管間質腫瘍を疑い手術を施行した.大網内に一部が胃に付着した血管に富む腫瘤(19×12×4cm)を認めた.病理組織検査では紡錘形細胞の不規則増殖像と胃側への浸潤像を認め,免疫染色検査ではKIT,CD34およびDOG-1が陽性であったことから大網原発のEGISTと診断した.