2021 年 74 巻 5 号 p. 287-295
【目的】Capecitabine + Oxaliplatin(CapeOx)療法の重要な有害事象であるhand foot syndrome(HFS)の軽減を目的に医療者による電話サポート介入の有用性を検討した.
【方法】結腸癌の術後患者に対して,CapeOx療法の導入初期の3コースに5回の医療者側から電話によるサポートを実施.主要評価項目はGrade 3以上のHFS発現率とした.
【結果】56例の登録のうち,非適格の7例を除く49例で検討した.HFSのGrade 3は1例(2%)のみで,Grade 2以上は計11例(22.4%).皮膚疾患特異的尺度の総合評価でもQOL低下は認められなかった.最終的に33例(67.3%)でCapeOx療法が完遂でき,3年無再発生存率は93.9%であった.
【結論】医療者による電話サポートは,HFSの発症軽減をはじめCapeOx療法の遂行に向けて期待できるツールと考えられた.