1977 年 30 巻 2 号 p. 99-101,181
直腸炎型,および全・左側大腸炎で下部大腸にのみ活動期病変が残された軽症型の潰瘍性大腸炎18例に対してサラゾピリン坐薬を投与し,その治療効果と有用性を検討した.1日1~2g投与して4週間後に効果を判定したが,18例中有効11例,やや有効4例で,著しい効果が認められた.ことに,サラゾピリン経口投与やプレドニン肝油注腸が無効であった13例に対しても有効7例,やや有効4例と,高率に有効であった.副作用としては1例に軽度の眩暈を認めたのみで,経口投与と比較してはるかに少なかった.以上により,本剤は直腸炎型または軽症型の潰瘍性大腸炎の,ことに外来治療における治療剤として有用な薬剤と考えられる.