日本大腸肛門病学会雑誌
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Coring-out法による痔瘻手術
守谷 孝夫松田 保秀武田 孝之
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1980 年 33 巻 5 号 p. 456-460,517

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抄録

従来の痔瘻手術は,瘻管を完全に開放するlaying open methodが主体であったが,肛門機能破壊が著明で,重篤な機能不全を惹起する.
そこで,A. G. Parksの理論に基づいて,瘻管と感染の原因となっているcryptを摘出すると云う,"くりぬき"法を昭和44年より採用して来た.
"くりぬき"法,coring outの実技上の問題点と手順について述べるとともに,更に進んで,より損傷の少い瘻管の摘出ductectomyについての工夫と実際上の手技について述べてみたい.
又,排膿術後の根治手術と云う二次的手術により,坐骨直腸窩痔瘻の大部分にcoring out法やそのmo-dificationを実施出来ることが分った.特にcryptectomyを確実に施行すれば,炎症や瘻管の残存はdrai-nageによって治癒可能であることを知った.

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