日本大腸肛門病学会雑誌
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内科的治療が有効であった術後再発腸型ベーチェット病の1例
北野 厚生小林 絢三押海 秀憲大川 清孝岡 史朗田中 吉之助桑島 士郎小野 時雄山本 祐夫
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1981 年 34 巻 6 号 p. 669-675

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抄録

患者は31歳の女性である.主訴は下腹部痛と発熱,下血である.
20歳頃から口腔内にアフタが出現していた.1979年から下肢の紅斑,外陰部の潰瘍を生じていた.当科入院2カ月前頃からは下肢紅斑,外陰部潰瘍,さらに右下肢部痛,発熱が強くなってきた.1979年8月には下血も来たし,当科へ同10月入院した,注腸造影,大腸ファイバースロープ検査にて回腸の多発性潰瘍を指摘され,腸型べーチェット病と診断された.
内科的治療にも抗し,回腸・盲腸切除術を受けた.術後数カ月間はSASPにて加療したが再度下血,腹痛を来たした.
注腸造影,大腸ファイバースコープ検査にて回腸の多発性潰瘍を指摘された.これらの再発性潰瘍に対し,SASP,SHにて治療した.現在は潰瘍は消失し,これらの治療は非常に効果的であったと考えた.

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