日本大腸肛門病学会雑誌
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34 巻 , 6 号
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  • 山城 守也
    1981 年 34 巻 6 号 p. 593-598
    発行日: 1981年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    虚血性大腸炎の病因として,"虚血性"の根拠について議論がある.軽症のものでは血管が非閉塞性のものが多数を占める.これは細小血管の機能的閉塞によるものと推論される.
    臨床的問題としては,腹痛・下痢・下血が高頻度を示し,三主徴とされる.罹患部位として左側結腸に頻度は高いが軽症のものが多く,右側は頻度は低いが重症例が多い.内視鏡的に縦走する出血性,潰瘍性病変が一つの特徴とされる.
    非定型例では,他の類似疾患との鑑別が要求される.老年者では,1) infections colitis 2) pseudomembranous colitis, 3) radiation colitis, 4) driverticulosis, 5) vascular ectasia, 6) acute extensive bowel ischemiaなどがあげられ,さらに原因不明の 7) non-specific ccolitisが残される.
    索引用語:虚血性大腸炎
  • 岩下 明徳, 黒岩 重和, 遠城寺 宗知, 渡辺 英伸
    1981 年 34 巻 6 号 p. 599-616
    発行日: 1981年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    虚血性大腸炎(IC)19例(手術10例,生検9例)と閉塞性大腸炎(OC)5例について,病理形態学的立場から比較検討した.
    両疾患の肉眼的・組織学的所見は全く同一で,急性型ではびまん性の粘膜出血,偽膜を伴うUl-I,IIの潰瘍が,慢性型では結腸紐に沿ったUl-IIの1~3条の縦走潰瘍,粘膜下層の強い線維筋症および全層性の担鉄細胞の出現が特徴的であり,ICの4例とOCの2例では漿膜の小・中型筋型動脈内膜に軽度から高度の線維筋性肥厚を認めた.また,両疾患の経時的変化ではともに初めびまん性出血性病変が,まもなく縦走傾向を示す潰瘍性病変となり,慢性期には明らかな縦走潰瘍となった.
    以上の成績から両疾患は本質的には同一種類の疾患であろうと結論し,両疾患の成因として動脈硬化などの血管側因子と腸管内圧上昇や蠕動運動(平滑筋のspasm)などの腸管側因子の両方が重要であることを強調し,合わせて特徴ある潰瘍の病理形態発生にも言及した.
  • 狩谷 淳, 西沢 護
    1981 年 34 巻 6 号 p. 617-623
    発行日: 1981年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    虚血性大腸炎のX線診断は,経時的変化,潰瘍を中心とした形態的変化の相違,形態的変化の程度の相違の3点を考慮する必要がある.二重造影法を施行した自験例5例に文献的考察を加え検討した.急性期のX線所見は,腸管の狭小化と伸展不良,特徴的な拇指圧痕像,鋸歯状辺縁で,これらの所見はほぼ7日前後で消褪し,その前後から,二重造影法で潰瘍像がとらえられる.潰瘍は,縦走潰瘍の所見を呈するものと,多発性の不整形潰瘍の所見を呈するものに大別されるが,前者が多く,虚血性大腸炎の,ある程度特徴的な所見と考えられる.軽度のひだ集中をともなう縦走潰瘍瘢痕の正面または側面像と共に,偏側性の狭小化,特徴的な嚢形成が4週間以内に急速に増強する,多発性不整形潰瘍の所見を呈するものでは,嚢形成は少数かあるいは形成されない.もちろん,上記所見は,虚血の程度によって,様々でまた短期間に消褪したり,,6カ月以上にわたって固定化したりする.
  • 甲田 英一, 杉野 吉則, 平松 京一, 熊倉 賢二, 日比 紀文, 小平 進, 小川 健二, 草野 正一
    1981 年 34 巻 6 号 p. 624-630
    発行日: 1981年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    虚血性大腸炎の血管造影像について検討を加えた.血管造影上,虚血性大腸炎は腸間膜動脈主分枝及び辺縁動脈に有意の閉塞を認めるものと(閉塞型),閉塞像を認めないもの(非閉塞型)に大別できる.閉塞型虚血性大腸炎で一過性のものはなかった.全例血管造影で診断でき,予後の判定,手術術式の決定に有効であった.原因不明の非閉塞型虚血性大腸炎にに特異的な血管造影像は認めなかった.3例中2例にvasa rectaの拡張,腸管壁の濃染,早期静脈還流を認めた.vasa rectaの著明な拡張を呈した1例にProstagrandin F2α使用薬理学的血管造影を行い上記所見の改善をみた.治癒期にあった1例では線維化に併う変化と考えられる, vasa rectaの数の減少,静脈の描出不良を認めた.膠原病をはじめとする原因の明らかな虚血性大腸炎は血管造影にて診断可能と考えられる.
  • 長廻 紘, 長谷川 かをり, 谷口 友章, 李 文瑛
    1981 年 34 巻 6 号 p. 631-639
    発行日: 1981年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    日本でも虚血性大腸炎が増加して腸の炎症の中で,とくに高齢者の腸炎の中でも占める位置は大きい.最近も"胃と腸16巻3号"で特集に取り上げられ,臨床,病理,診断の各方面から総合的に検討されている.突発する区域性急性腸炎であるという以外に特徴がないため,本症は原因不明の急性腸炎のwaste-basketになるおそれがある.診断基準を厳密にする必要がある.
  • 酒井 義浩
    1981 年 34 巻 6 号 p. 640-645
    発行日: 1981年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    虚血性大腸炎の診断に際して臨床的,放射線的,または内視鏡的に類似の病態が多数存在し,鑑別は必ずしも容易ではない.虚血と炎症の程度により形成される病像は異り,起始からの期間がさまざまな修飾をもたらしている.従って診断に際して血管系に侵襲を及ぼす指景疾患を明らかにする必要があり,注意深い検索が必要である.
    病勢に従って類似の所見を呈する疾患の鑑別を行うことが望ましい.時には臨床歴や理学的所見,一般検査などが有用なことがある.内視鏡的には顕著な所見(浮腫性変化,縦走潰瘍,不規則ビラン,瘢痕,狭窄など)に注目し,周囲の変化を観察することが重要である.血管造影は必ずしも有効でなく,生検組織診も非特異的であるので,急性腹症が否定された場合には直ちに注腸X線または大腸ファイバースコープ検査を行い,可及的早期の像から経過を追求し,その変遷を観察することにより確診へと導くものと思われる.
  • 石黒 直樹, 土屋 周二, 福島 恒男
    1981 年 34 巻 6 号 p. 646-649
    発行日: 1981年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    虚血性大腸炎の治療方針は,一過性病変では保存的治療壊死穿孔性病変では救急手術が適応であり,潰瘍狭窄性病変では(1)壊死穿孔性病変へ進行する危険のあるもの,(2)イレウス症状を呈するもの,(3)潰瘍からの持続性出血,(4)癌を否定できない場合が手術適応とされる.保存的治療では,禁食,経静脈的な補液・栄養,抗生物質投与などを主とした治療を行う.一過性病変では一般に発症後1週間以内に臨床症状は改善する.狭窄を起した症例も病変部腸管を切除すれば予後は良好である.緊急およびそれに準ずる手術では腸切除あるいは病変部口側に人工肛門造設をする.腸切除は壊死性病変部のみでなく治癒したと思われる病変部も含めて切除する.腸吻合を一期的にするか二期的にするかは術中の全身および局所の状態により決定する.壊死性病変は予後が悪いが,とくに全層性のもの,広範囲のものが予後が悪いと考えられる.
  • 藤岡 正樹
    1981 年 34 巻 6 号 p. 650-659
    発行日: 1981年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    正常成人24例および低位前方切除術術後患者15例について,直腸肛門管静止圧,直腸肛門反射,直腸コンプライアンス,レ線注腸側面像における直腸容積の測定を行い,また術後患者については臨床スコアによる排便機能の評価,残存直腸肛門管長の測定を行った.
    低位前方切除術術後4ないし6カ月までは多少とも排便異常をみる例が多かったが,術後6カ月以上を経ると全例で満足すべき排便がみられるようになった.術後早期でいまだ排便異常をみる時期でも直腸肛門管静止圧,直腸肛門反射,あるいは便意発現の圧閾値は正常に保たれており,直腸コンプライアンス,反射あるいは便意発現の容量閾値の低下が特徴的であった.注腸側面像における直腸容積,残存直腸肛門管長は,それだけでは排便機能の良否を示す指標となりえないことが示唆された.
  • 固武 健二郎, 小平 進, 寺本 龍生, 生駒 光博, 伊井 祥, 宮田 潤一, 勝又 貴夫, 高田 育明, 荻原 裕之, 島津 弘, 阿部 ...
    1981 年 34 巻 6 号 p. 660-668
    発行日: 1981年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    下部消化管大量出血例の診断と治療について自験例24例を中心に検討した.出血部位の診断には,直腸鏡と血管造影法が最も有用で,出血部位が確認された際にはこれらを用いて止血処置を行なうことも可能であった.
    治療は手術的療法が原則であるが,緊急手術に伴なう危険や,前処置のない腸管の手術を避けるべく,可能な限り待期的手術に委ねるようにつとめている.そのために,直腸タンポナーデ,血管造影手技などを用いた非手術的止血処置を試み,良好な結果のえられた例も経験している.
  • 北野 厚生, 小林 絢三, 押海 秀憲, 大川 清孝, 岡 史朗, 田中 吉之助, 桑島 士郎, 小野 時雄, 山本 祐夫
    1981 年 34 巻 6 号 p. 669-675
    発行日: 1981年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    患者は31歳の女性である.主訴は下腹部痛と発熱,下血である.
    20歳頃から口腔内にアフタが出現していた.1979年から下肢の紅斑,外陰部の潰瘍を生じていた.当科入院2カ月前頃からは下肢紅斑,外陰部潰瘍,さらに右下肢部痛,発熱が強くなってきた.1979年8月には下血も来たし,当科へ同10月入院した,注腸造影,大腸ファイバースロープ検査にて回腸の多発性潰瘍を指摘され,腸型べーチェット病と診断された.
    内科的治療にも抗し,回腸・盲腸切除術を受けた.術後数カ月間はSASPにて加療したが再度下血,腹痛を来たした.
    注腸造影,大腸ファイバースコープ検査にて回腸の多発性潰瘍を指摘された.これらの再発性潰瘍に対し,SASP,SHにて治療した.現在は潰瘍は消失し,これらの治療は非常に効果的であったと考えた.
  • 森 泰則, 長浜 徴, 武久 一郎, 古屋 平和, 福島 文典, 城所 仂, 長浜 遠, 平田 博邦, 児島 邦明
    1981 年 34 巻 6 号 p. 676-679
    発行日: 1981年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    大腸の憩室性疾患は欧米においては比較的よくみられる疾患である.瘻孔形成例もかなりの頻度でみられるが本邦においては文献的には7例を数えるのみである.その内訳は,S状結腸膀胱瘻3例,結腸皮膚瘻2例,結腸回腸瘻2例であった.今回われわれは瘻孔を形成した大腸憩室症2例を経験したので報告する.1例はS状結腸回腸瘻で他の1例はS状結腸皮膚瘻であった.2例共手術的に治癒せしめた.近年,わが国における生活様式や食生活の欧米化に伴ない,種々の大腸疾患が増加している.とくに大腸憩室症は本邦においては,現在まで右側に多かったのであるが最近では欧米なみに左側結腸に多くなってきており,今後その瘻孔形成例も増加するのではないかと推測される.
  • 1981 年 34 巻 6 号 p. 680-696,699
    発行日: 1981年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
  • 1981 年 34 巻 6 号 p. 720-727
    発行日: 1981年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
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