日本大腸肛門病学会雑誌
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腹腔内出血をきたした多発性結腸平滑筋肉腫の1例
遠田 譲芳賀 駿介熊沢 健一梅田 浩森 正樹中島 久元大石 俊典今村 洋矢川 裕一菊池 友允梶原 哲郎
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1989 年 42 巻 1 号 p. 112-117

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抄録

消化管の平滑筋肉腫は胃, 小腸に多く, 結腸平滑筋肉腫は稀な疾患である.われわれは腹腔内出血により汎発性腹膜炎症状を呈し, しかも非連続性に3病巣からみられたきわめて稀な症例を経験した.症例は67歳男性で腹痛を主訴として来院.腹部X・P, CTスキャンで結腸粘膜下腫瘍を疑い, 緊急手術を施行した.横行結腸下行結腸に非連続性の3病巣がみられ, 腹腔内の出血は最も肛門側の管外性に発育した腫瘤からであった.リンパ節転移, 肝などの血行性転移はなく, 左半結腸切除術を施行した.結腸平滑筋肉腫の本邦報告例はわれわれが調べえたかぎりでは自験例を含め56例で, これらにっいても検討を加え報告する.

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