日本大腸肛門病学会雑誌
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潰瘍性大腸炎におけるロイコトリエンB4の検討
杉浦 弘和
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1991 年 44 巻 3 号 p. 279-285

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抄録

目的:潰瘍性大腸炎(以下UCと略す.)におけるロイコトリエンB4(以下LTB4と略す.)の関与を検討するために,大腸内視鏡検査時に採取した組織を利用してLTB4量を測定した.方法:採取した組織をカルシウムイオノフォアで刺激したのち,Bond Elutによる精製方法と高感度のRIAによる定量方法を組み合わせることにより,LTB4量をUC患者および正常者で測定した.成績:UCの検討項目は本症の病態を示す臨床症状・X線的・内視鏡的・臨床データ・病理組織的な分類にわけ比較検討したが,LTB4はいずれの病態分類の程度とも相関して変動していた.結果:著者のLTB4測定法は微量な組織を用いても測定可能であり,UCの臨床症状および内視鏡検査などの画像診断との対比が可能となり,従来報告されている測定方法よりも有用であると思われた.さらに本法で検討すると,UCの病態にLTB4が関与している可能性が示唆された.

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