日本大腸肛門病学会雑誌
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右側結腸癌症例におけるリンパ節転移の検討
杉平 宣仁松本 好市多田 豊治藤野 一平奥田 明子北川 達士山本 純二鈴木 宏志
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1994 年 47 巻 4 号 p. 331-335

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抄録

過去19年間に教室で切除した右側結腸癌86例について,郭清リンパ節の転移度と予後から,現行の郭清術式の妥当性を評価した.86例のうち治癒切除と判定されたものは70例で,そのうちR2郭清症例は17例,R3郭清症例は53例だった.両群に臨床病理学的事項,および進行度に統計学的な有意差は認あられなかった.再発症例11例では,リンパ節転移の遺残によると思われるリンパ節再発は認めなかった.リンパ節転移を部位別に比較したが,治癒切除症例で223番,214番リンパ節に転移を認めた症例はなく,R2症例とR3症例の生存率に差を認めなかった.すなわち右側結腸癌に対して,現行のR2以上の郭清を伴う結腸右半切除術は十分な根治性を有するものと考えられた.

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