日本大腸肛門病学会雑誌
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異時性に両側性腎盂外尿漏出をきたした結腸癌再発の1例,および文献的考察
大平 猛小西 文雄石橋 敏光金澤 暁太郎
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1997 年 50 巻 2 号 p. 101-105

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抄録

自然腎盂外尿溢流,自然腎盂破裂は稀な疾患である.われわれは,結腸癌再発により異時性に左右の腎盂外尿縊流をきたした症例を経験した.症例は36歳の男性である.1991年8月に横行結腸癌にて横行結腸切除(D3)が施行された.組織所見は粘液癌ss,n1(+),ly2,v2,であった.1991年8月に右背部から右側腹部にかけての疼痛を訴え,諸検査にて右腎盂破裂の診断でカテーテルによる後腹膜ドレナージ術を行った後手術を施行した.手術所見では,ダグラス窩の左右に2個の転移性腫瘍を認め,右の腫瘤は右尿管および直腸壁に浸潤していた,直腸低位前方切除,右尿管部分切除を施行して再発腫瘤を切除した.1994年8月左側腹部痛を訴え,DIP,CT,などの所見より再発腫瘤による左腎盂外尿溢流と診断された.経皮的に左腎瘻を造設したのみで経過を観察した.以上,異時性に左右の腎盂外尿漏出をきたした症例を経験したので文献的考察を加えて報告した.

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